2008年12月07日

ホルモー六景 感想 万城目学

ホルモー六景
万城目 学
4048738143




前作「鴨川ホルモー」を読んでいない事と、この作品で取り扱われている題材が自分の好みではない事を先に表明しておきます。
「なんか少し前に話題になっていたから、後学のために読んでおくか」という程度の動機で手に取った事もこの際なので白状しておきます。


よし、予防線張ったぞ。

上記のように自分が求めるもの、読みたいものと言った路線からは大きく外れた作品でしたが、それ即ち面白くないかと言うとさにあらず。
確かに恋愛要素を前面に押し出したスイーツ臭は微妙に鼻に付くのですが、それをカヴァーしてあり余るだけの技巧の冴えをこの作品からは感じました。
「もっちゃん」で見せたミスリードを誘うテクニック、「丸の内サミット」で見せた会話の端々に伏線を仕込むテクニック、そして一見別々の物語に思える一部の短編同士(「鴨川(小)ホルモー」と「同志社大学黄竜陣」)の時系列を合わせて一つの流れを作る構成の妙。
オニを戦わせるホルモーなる奇抜な競技が存在する世界を舞台にしながらも、その小説としての手法には奇抜さではなくストロングスタイルな意味での巧さが光っていて、決して一発芸的なアイデアだけで勝負している作品ではありません。

だから、自分の趣味とは違っていても退屈する事無く最後まで読めました。
特に「もっちゃん」のラスト前になってから徐々に違和感を感じさせてくる描き方なんてもう。
――え?もう結婚してるの?
――奥さん洋裁?言葉遣いも変じゃね?
この違和感の後に実は…と明かされる舞台設定。改めて読み返してみたら随所にヒントが示されていて、それでも気付けなかったのは自分があまりに迂闊だからなのか、それとも作者の技量が卓越しているからなのか。
おみそれしました。

1巻を読んでなくてもある程度の雰囲気はつかめますが、登場人物の相関関係などやはり読んでないとわかり辛い部分もあります。
機会があれば1巻も読んでみようかな。





posted by 黒猫 at 12:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 青春・恋愛 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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