2008年11月30日

かわいいあの娘は戦車兵 ぱんほー! 感想 ゆうきりん

ぱんほー! (HJ文庫)
上田 梯子
4894257610



ぱんほー!とはPANZER VOR!の略なんだそうです。

事実とは違った終結を迎えた第二次世界大戦。
連合国はこの大戦に勝利はしたものの、その国力の疲弊はきわめて大きく、敗戦国ドイツの戦後統治もままならないままに空白地帯として放置せざるをえなくなっていました。
やがてそんなドイツ国内に枢軸国・連合国問わず各国の脱走兵や残党が集まり、ヨーロッパにおける最大の無法地帯に…。

ライトノベルなんで設定に関してあれこれ言うのはやめておきます。
むしろ個人的には、ラノベに仮想戦記的なエッセンスを持ち込んだ事を評価したいですね。たぶん模型誌を母体とするHJ文庫だから出来た事で、電撃や角川なら絶対通らないアイデアだとは思いますが、しかしそういうところでレーベルごとのカラーが出てくれることは大歓迎。
只でさえ金太郎飴化著しい昨今、試行錯誤はどんどんやって欲しい。


ヒルダ達の乗る戦車がヘッツァーと言うのが良い。
乗用車程度の大きさと愛嬌のあるスタイリング、当時の兵士達にとっては鉄の棺桶でしかなかったとは言え、やはり女の子キャラを乗せるのにはこれ以上無く適した車両。
これが重戦車だとやはり違和感が…いえ、そういう作品もあるにはあるのですが。
やっぱり女性には砲弾の装填は大変だ――そう考えると最も女子向きなのは自動装填装置付きの90式??

戦車の描写は思いのほか良くて、埃臭くて泥臭い戦車戦がよく描けていました。
ただ気になるのは、1巻(伏線の張り方からして続巻も出るよね?)最大の敵である"幽霊戦車"の火力で果たしてティーガーの装甲を抜く事が出来るのかと首を傾げてしまった点。
"幽霊戦車"が装備している16口径の76ミリ砲と42口径45ミリ砲ではどう頑張ってもティーガーを抜く事は無理なのでは…。

また、"幽霊戦車"は本来最大で30ミリしかない装甲を300ミリまで強化してあると言う設定ですが、エンジン出力云々は別としても、あの戦車の砲塔配置はかなりキツキツなので、副砲塔にまで増加装甲を貼り付けるのはたぶん不可能。
よって副砲塔はどこに当ててもヘッツァーの火力なら余裕で抜けると思われます…。
やはり"幽霊戦車"みたいなデカブツは、装甲を強化する改造よりも、大口径砲を載せる台と割り切って対戦車自走砲に改造する方がマシなんじゃないかなあ。
あの車体ならたぶん100ミリクラスの砲が乗ると思うので、それならティーガーやパンターの正面装甲を余裕で抜ける筈。
もっとも、そんな真面目な改造やった日には「ヨハネの赤竜隊」が出てきてジ・エンドなんだろうけど。


ラスト前でヒルダが敵の戦車兵に言われた「お菓子の家」の生き残り云々は気になる伏線。
真っ先に想像するのはヘンゼルとグレーテル。
そこから普通に考えていくと、みなし児を集めて兵士としての特殊な教育を施していた施設の通称ではないかと思われます。
旧東ドイツやルーマニアではその手の行為が実際に行われていたと聞いた事がありますし。

亜子の特攻バカに関しては全く予想すら出来ない謎。すげー気になっているんですが…
やはりかくなるうえは続巻を出してもらうしか!ぱんほー!!





posted by 黒猫 at 14:12| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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