河原恵

物干し竿を手に真幌市の平和を守るために日夜戦う
サブタイの「地域限定焼餅大全」とは何ぞや…と思ってましたけど、読み終わってしみじみと納得。
なるほど、確かにかなり限定された焼餅の総合商社な内容でした。
新キャラライムの登場に加えて、エリアスだけでなくかま子まで人間化してしまって、これは羨ましいのか厄いのか判然としない極めてカオティックな状況と言えます。要するに、1冊まるまるラブコメ展開になっている訳です。
これはこれで時代のニーズに沿った展開なのかも知れませんが、どこか消化不良な感じが残ります。
やっぱり物干し竿振り回して地伝を解決してゆく姿を見たかったなあ、と。
もっとも、2巻で登場のエロ長ことライムは田中の祖母によって地伝と戦う術を仕込まれたもう一人の地伝ファイター(?)です。そんなキャラを登場させておいて、今後もラブ米ばっかりだったりすると、それはアフラトキシン塗れのジコ米並に問題と言わざるを得ない。
なので、今回は新キャラの紹介と、既存キャラの設定に関する追加補足をラブ米の形を採りながら説明した巻と解釈したい。
で、2巻最大の謎となる着物女ですが…最初は全くちんぷんかんぷんでしたけど、エリアスの台詞でなんとなくピンと来ました。
それから今までの行動をもう一度読み返してみて納得。巧みな伏線の張り方に脱帽。
思えば1巻のしりとり地伝もそうでしたけど、さりげなく仕込みネタを入れるのが本当に上手な作者です。
その一方で構成の方はというと、規定ページ数キツキツに何とかねじ込んだぞーという荒業が伺えたりもしますが。
ちなみに僕の中ではメインヒロインはエリアスです。
コトリさんの蕩けた感じも悪くないんですが、田中とのやりとりについてはただただ蕩けただけのコトリさんよりも、エリアスの方が読んでいて楽しいんですよね。やはり甘いだけでなく、時にピリリとした辛さも必要って事です。
今回ちょっとエリアスさんのシモネタが大人しかった気もしますが…人間化した状態でシモな誘いかけたら、どこかの狐妖怪が出てくるラノベになってしまうからかな?
いやいや、それはそれで歓迎なんですけどね。ゆやよん。
ギャルゴ!!!!! 地方都市伝説大全 感想
ラベル:ライトノベル