2008年09月13日

ドアーズ 1巻 神坂一 感想

ドアーズ 1 (1) (角川スニーカー文庫 46-18)
神坂 一
4044146187




今の小中学生の人は知らないかもしれませんが、15年位前に頂点を極めた神坂一と言う作家がいました。



代表作であるスレイヤーズは、丁度今アニメ第3シリーズが放送中なので、そっちで知ったと言う人も少なくないと思います。
僕自身当時は新刊を待ちわびてスレイヤーズやロストユニバースを買い漁っていたのですが、いつの間にかラノベに対する熱が僕自身的にも世間的にも冷めてしまい、そのまま忘却の彼方へ・・・。

当時の第一次ラノベブームがDQやFFの様なRPGをモチーフにした作品が中心だったのに対して、数年前から突然沸き起こった第二次ラノベブームはエロゲ等の恋愛SLGをモチーフにした作品が中心となっています。
また、第二次ブームは一時ブーム時に比べるとJ-POP並に流行り廃れのサイクルが早い事もあり、ラノベ第一次ブームを支えた先達の方々の出番は殆どありませんでした。
"ありませんでした"と過去形なのは、現在ラノベ市場は既に飽和状態を迎えており、いよいよ淘汰の時代の足音が聞こえつつある――ブーム終焉の気配が漂い始めたからです。
しかし、ラノベ氷河期だった90年代末期〜00年代初期においても、ブギーポップやダブルブリッドといった名作が存在し、それなりにセールスを記録していましたので、現状9割方のブームに乗ったホイチョイ系作品が淘汰されても、本当に内容の良い1割の作品は生き残り、目覚めの春が訪れるその日までラノベの遺伝子をしっかりと残し続けて行くでしょう。

おっと話が逸れまくってるな。


それで、ドアーズです。
第一次ブームの中心人物だった神坂一氏による新シリーズです。

もともとは雑誌連載の作品と言う事で、1話完結のエピソード中心となっていますが、1話完結を逆手にとってかなり好き勝手やっているのが実に痛快。
様々な次元に存在し、本来は行き来する事など出来ないはずの世界が複雑に重なり合ってしまったのを直す為に、女子高生姉妹と謎の男シュリンが毎回色々な異世界に行っては様々な冒険を繰り広げるストーリーです。
しかしこの異世界と言うのが、よくある剣と魔法の世界や未来のサイバー世界などではなく、「妹が触手になる世界」「妹が人類に反旗を翻した世界」などなど、いい感じに脳に虫が涌いた様な形而上的世界ばかり。

かつて作者が得意とした擬音や大文字フォントは時代の趨勢に合わせて鳴りを潜めてしまっていますが(それでも修辞技法に若干の懐かしさは感じる)、ツッコミどころだらけすぎてツッコむ気が無くなるフリーダムな作風は健在です。
ああ、そうだよね、神坂作品ってこんな感じだったよね・・・と懐かしみながら、同時に今も順当に進化しつづける作者のギャグセンスに脱帽。
神坂氏は笑いの本質と言うものをよく理解していますよね。


そんな感じで非常に楽しい作品なんですが、2巻で完結と結構短い話なのが残念ちゃ残念。
終わり方は賛否両論らしく、個人的にも気になっているので早期に入手して読んでみようと思います。
posted by 黒猫 at 12:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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