2008年09月08日

クトゥルー 1 暗黒神話体系シリーズ 感想

クトゥルー〈1〉 (暗黒神話大系シリーズ)クトゥルー〈1〉 (暗黒神話大系シリーズ)
大滝 啓裕

青心社 1988-12
売り上げランキング : 145208
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



クトゥルーものと言うと、手に入り易い所で言うと創元のラヴクラフト全集がありますが、こちらはラヴクラフトではなく、ダーレスによって体系化されたクトゥルー神話に属する物語を集めたものです。

いわゆるラヴクラフト原理主義で、ダーレスを絶対的敵視している類の御仁には全くお勧めしませんが、ゲームなどでクトゥルーの名を聞き、関心を持った人には結構お勧めです。
創元の全集の方はあくまで「ラヴクラフトの作品」を集めたものであり、いわゆるダーレスによるクトゥルー神話なるものとはまた趣を異にするものですから、いきなり初心者にはお勧めできないと言うか。
あああでも「狂気の山脈にて」みたいな超名作は創元の方に収録されているし・・・どっちも平行して読むべきですかね。

で。

1巻に収録されている作品の中で好きなのは「無人の家で発見された手記」。
クトゥルー風味はあまり濃厚ではないのですが、一少年の視点で身の回りに起こる怪異や、どんどん追い込まれていく状況が緊迫感充分に描かれていて、手に汗握って読んでしまいます。

続いて「破風の窓」。
ラブクラフトの遺稿にダーレスが加筆して仕上げた作品ですが、知らず知らずに硝子1枚で異界と接している恐怖感がひしひしと伝わってくる名短編。
クトゥルーものは日常と戸板一枚隔てた深遠の恐怖にこそ真髄があると思う訳ですが、まさにこの短編はそれを体現化したかのような作品に仕上がっています。


思えば、僕ら世代のオタクにとってクトゥルーは一般教養とも言える存在で、ゲームやアニメの元ネタにもさんざん使われてきたのですが、最近は邪神とも平気で大バトルを繰り広げてしまうような節操の無い作品が氾濫してしまっています。もちろんそれはそれでケレン味があって良いのですが、本来の姿からどんどん離れていってしまっているのも事実なので、多少でも関心がある人は本来のクトゥルーにも触れて欲しいですね。
そして、出来れば原点でもあるラヴクラフトにも・・・。
まあ、ラヴクラフトの作品は激しく読みにくいのが特徴なので、ある程度構えて取り掛からないと痛い目みますけど(笑)。
posted by 黒猫 at 23:09| ホラー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。